贈り物

仕事で落ち込みながら帰宅し、落ち込みながらごはんを食べ、お風呂に入り、ごろごろして、もう寝なきゃ明日も仕事なんだから、と思って廊下に出たら、玄関に散乱された買い物されたものたちを見て嫌な気持ちになる。

 

はーあ、と思って買ったものの中から1つお菓子を取り出そうとして、近くに立てかけてあったピアスの収納に身体が触れ、1つのピアスが床に落ちた。

初めて彼にもらったピアス。

当時はまだ告白もされていなくて、ただひたすら、2人で過ごすのが楽しく、離れるのが惜しく、見るもの全てが新しくて知らない世界にみえた。

当時の、世界がまばゆく、どんなに歩いてもまだまだ歩いていけそうな感覚は本当に尊く、私の大学生時代の大切にしたい思い出の1つ。

 

私がはじめて贈ったのは確かサイコロだった。

一生懸命悩んだ挙句に選んだと思うけど、今考えるとかなり可愛いし可笑しい。

もらった方もどんな反応をすれば良いのか分からなかっただろうに。